【アーカイブ】(地球異変)氷河湖から急流 決壊対策「国は何も」 エベレスト山麓

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カトマンズ=佐藤修史 冨岡史穂
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【2007年11月26日朝刊】

 ネパール北東部にある世界最高峰エベレスト(8848メートル)の近くに、巨大な湖があった。ヒマラヤの氷河が解けてできた「氷河湖」。急速に拡大し、決壊して大洪水を起こす危険性がある。下流域には世界中から登山・観光客が集う。対策が追いつかないネパールは、日本に強い期待を寄せている。

 朝日新聞は2007年から長期企画記事「地球異変」で、地球温暖化問題の現場をルポと写真で追いかけ続けてきました。アーカイブで振り返ります。 (※記事は、紙面掲載日時点の内容です)

 カトマンズから空路約40分の町、ルクラ。ここから徒歩6日、エベレストの南10キロのくぼ地に、氷河湖「イムジャ・ツォ」はあった。

 標高約5千メートル。60年代に誕生し、70年代半ばに0・3平方キロだった面積は3倍に広がった。最深部は99メートル。東京ドーム32個がすっぽり入る。

 名大大学院環境学研究科の藤田耕史准教授(38)=雪氷学=が厳しい表情で言った。

 「02年の調査時よりも明らかに拡大している」

 「天然ダム」となったモレー…

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