第17回寂聴さんがしのんだ男たち 寂庵の観音さまの横には位牌

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聞き手・岡田匠
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馬場君江さんに聞く②

 瀬戸内寂聴さんは「尼としての責務」と言って、毎月、京都・嵯峨野の寂庵(じゃくあん)で法話を続けてきた。そのお堂を守り、法話を支えてきたのが、スタッフで堂守(どうもり)の馬場(ばんば)君江さん(75)だ。お堂には、愛した男たちを弔うため、寂聴さんが自ら作った位牌(いはい)をまつっていた。

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寂聴さんとゆかりのある方々へのインタビュー連載です。随時更新しています。

 ――寂聴さんの日常は、どんな様子でしたか。

 晩年の先生は朝起きると、ぬるめのお風呂に入るのが日課でした。10時ぐらいにご飯を食べ、お昼はお菓子のような軽めのもの。晩ご飯は早めで、夕方5時ぐらいからお酒を飲み始めました。

 お酒は、去年の秋に最後の入院をするまで飲んでいました。「1合では酔わないわ。もうちょっと、ちょうだい」と言って、毎晩1合半は飲んでいましたね。

 ――肉が多かったんですか。

 普段のおかずは、お総菜が中心です。すき焼きやステーキは、お客さんが来るときだけです。「お肉を食べると頭がしっかりする」と言っていました。私が作る料理は何でも「おいしい、おいしい」とほめてくれるので励みになりました。

 毎月1回、寂庵で法話をしていましたが、そのときに、懇意にしている和菓子屋さんが、焼酎に入った冬虫夏草を持ってきてくれました。先生は「滋養があって体にいいのよ」と毎日、朝ご飯のあとに、おちょこ1杯分、飲んでいました。

 ――その法話には多くの応募があったんですよね?

記事の後半では、大人気だった寂聴さんの法話にまつわるエピソードが語られます。

 最初のころは、お堂に200…

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