• アピタル

強制入院や分離教育など禁止勧告 国連が日本の障害者差別巡り初審査

有料記事

森本美紀、石川友恵
[PR]

 障害に基づくあらゆる差別の禁止などを定めた「障害者権利条約」について、国連の委員会が日本の取り組み状況を初めて審査し、9日に勧告を公表した。障害者の強制入院や、分離された特別な教育をやめるよう要請する内容などが盛り込まれた。審査の過程では、政府の対策が不十分とされる様々な課題が明らかとなり、障害者らから改善を急ぐよう求める声が相次いでいる。

 勧告では、精神科病院での無期限の入院の禁止や、施設から地域生活への移行を目指す法的な枠組みづくり、障害のある子とない子がともに学ぶ「インクルーシブ教育」の確立のためにすべての障害のある生徒が個別支援を受けられるよう計画を立てるといった対応の必要性が指摘された。

 また、障害者の強制入院を「差別」とし、自由の剝奪(はくだつ)を認めるすべての法的規定を廃止するよう要請。旧優生保護法下で不妊手術を強いられた被害者への謝罪や、申請期間を限らない救済なども盛り込まれた。

 障害者権利条約は2006年に国連で採択。08年に発効し、日本は14年に批准した。今年8月下旬にはスイス・ジュネーブで初の対面での審査を実施。18人からなる国連の障害者権利委員会の委員が日本政府の代表団に質問し、そのやりとりを踏まえた上で9月に入って勧告が提示された。勧告に法的な拘束力はないが、政府は対策を講じるよう求められている。

識者「現状と条約の距離、埋める必要」

 17~20年に障害者権利委…

この記事は有料記事です。残り604文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
【10/18まで】有料記事読み放題のスタンダードコースが今なら2カ月間無料!
  • commentatorHeader
    武田緑
    (教育ファシリテーター)
    2022年9月14日9時53分 投稿
    【視点】

    インクルーシブ教育はプロセスだと言われます。学校教育においては、特別支援教育なのかインクルーシブ教育なのかという点で、これまでにも深刻な信念対立、イデオロギー論争がありました。一人ひとりのニーズや障害の度合いに応じた支援も、他の子どもたちと

  • commentatorHeader
    末冨芳
    (日本大学文理学部教授)
    2022年9月13日21時18分 投稿
    【視点】

    みなさんは障害を持つ人と共に、何かをした経験がありますか?障害者が隔離されず、家族が大変な思いをせず、友達とも先生とも信頼関係を築き、それぞれのペースで地域で暮らすリアル、ご存知ですか? 経験がない、わからない人が大半でしょう。 障