公立小への転校断られ続け 母が求めるインクルーシブ教育、現実は

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石川友恵
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 障害者権利条約の実施状況について、国連による日本政府への初の対面審査がスイスで開かれた。国際的な専門家からなる委員会と日本政府のやりとりが注目されたが、政府は制度の説明に終始。障害のある子とない子がともに学ぶ「インクルーシブ教育」の推進といった条約が掲げる目標に対し、現状の乖離(かいり)が浮き彫りとなった。傍聴した障害者らから懸念の声も聞かれた。

 対日審査では障害のある子もない子も一緒に学ぶ「インクルーシブ教育」がテーマにあがった。「法改正をし、通常の学級に通うか特別支援学校に通うかは本人や保護者の意見を最大限尊重している」。日本の状況について問われると、文部科学省の担当者がそう説明すると、現場にいた当事者団体からはどよめきが起こった。

 中学3年生の青木サラさん(14)と母親の弘美さん=東京都=もスイス・ジュネーブを訪れ、傍聴した。サラさんは2歳のときにかかった突発性発疹が原因で急性脳症となり、高次脳機能障害がある。言葉が出にくかったり、計算ができなかったりするという。

公園で声かけたら「あの子障害者だ」

 現在は学区内の中学校に在籍…

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