Jリーガーめざした息子、熱くなった山口香さん 振り返る後悔と安堵

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筑波大学教授
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 この半年で、子どものスポーツのあり方を巡って議論が少しずつなされるようになった。本当に変化が起きるまでにはまだ、時間がかかると思う。「スポーツって何?」「何が大事?」という本質的な議論が熟していないからだ。

勝利至上主義を考える

「行き過ぎた勝利至上主義がみられる」として、小学生の柔道の全国大会の廃止が決まってから半年。日本スポーツ少年団も全国大会について廃止も含めて検討をしている。子どもとスポーツのあり方を、柔道家の山口香さんに聞いた

 例えば、中学校の部活動では基本的に夏の全国中学生大会をめざし、予選が終わると3年生は引退する。受験があっても週1回くらいやればいいのに、目的が試合になっているから、試合がなくなるとやらない。自己研鑽(けんさん)のためにとか、汗をかいたら気持ちいいからとか、そういう理由でスポーツをする文化は、日本ではまだまだ、薄い。

 スポーツをすることで、人生は豊かになる。そういう考えが広まってほしい。

 私の息子はプロのサッカー選…

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    おおたとしまさ
    (教育ジャーナリスト)
    2022年9月21日11時39分 投稿
    【視点】

    「試合がなくなるとやらない」はスポーツに限ったことではありません。 「入試に出ないものはやらない」と大人たちが思っているから、入試の内容をいじることで高校以下の教育を変えようとしたのが大学入試改革であり、いま大もめにもめている都立高校入試でのスピーキングテスト導入です。 「私大の入試は3科目しかなくてけしからん!それでは教養が身につかない」というご意見も同様に、入試に出ないものは学ばないというマインドセットからしか出てこない発想です。 成功すること、達成すること、結果を残すことにとらわれすぎているのは、この社会の病だと私は思います。 その病が進行するとどうなるか。 「人生に目的地などない、ただ険しくも美しい道があるだけだ」という当たり前のことがわからなくなります。 すると、その道すがらときどき表れる「しみじみとした地味なしあわせ」を感受する能力がどんどん麻痺していきます。 そんな社会は不幸だと思います。 ※さきほど同内容の投稿をしましたが、「スピーキングテスト」を「リスニング」と誤記していましたので、一度削除して投稿し直しました。

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    平尾剛
    (スポーツ教育学者・元ラグビー日本代表)
    2022年9月23日16時52分 投稿
    【視点】

    『「スポーツって何?」「何が大事?」という本質的な議論が熟していないからだ。』 子どものスポーツに変化が起こるまでにはまだ時間がかかる理由として、山口香氏が指摘するこの言葉に私は満腔の意をもって賛同する。 本質的な議論、すなわち