第2回基礎研究に力を入れ始めた中国 相次ぐ研究者の流出、日本への危機感

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水戸部六美
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 午前10時、雲南大学中国西南天文研究所で働く島袋隼士さん(34)の1日が始まる。

 まずは研究室で湯を沸かす。雲南省名産のプーアル茶をのみながら、最新の論文やメールをチェックする。

 昼食は大学の学食で。お気に入りは「米線(ミーシェン)」と呼ばれる米の麺で、鶏ガラのスープにからめて、キクラゲやネギ、豚肉と一緒に食べると、優しい味が口の中に広がる。

 昼食後は論文やプログラムを書いたり、研究所のメンバーや共同研究者らと対面やオンラインで会議をしたりする。

 午後3時のお楽しみは、大学の売店でまとめ買いした中国版コアラのマーチ「小熊餅」だ。午後6時か7時ごろには仕事を終え、バイクで15分ほどの自宅に帰る。

 島袋さんが雲南大学に着任したのは2019年12月。日本では助教にあたる3年間の任期付き教員だが、研究室も主宰する。最終年に審査に通れば、任期なしの准教授職になれる。

 この3年間は「研究に専念できるように」と、学生への講義を免除されている。研究室で受け入れる学生の追加は年1人で、日本のように学生の指導に忙殺されることもない。

 恵まれた環境のおかげで、この3年弱で5本の論文を書くことができた。

 「今までよりハイペースで結果を出せている、と自分では思います」

日本でいえば「地方の国立大学」レベル

 雲南大学は、北京大学や清華…

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