ヒットの裏にアイミーブの反省 軽EVはどんな人が買っている?
編集委員・木村裕明
日産自動車の「サクラ」と三菱自動車の「ekクロスEV」。両社が共同開発して6月に発売した軽自動車の電気自動車(EV)が売れています。三菱自が13年前に発売した軽EV「アイミーブ」が思うように売れず、苦労した経験や反省が今のヒットにつながっている面もあるようです。新型「ekクロスEV」のマーケティング責任者を務める三菱自の吉川省吾氏に、軽EVを購入する客層の傾向や普及に向けた戦略などを聞きました。
――ekクロスEVの受注状況は。
「5月の受注開始から4カ月弱で、累計の受注台数は約6400台。月販目標(850台)の7カ月分を超えています。出足の勢いに比べれば少し落ち着いてきましたが、引き続き順調にご注文をいただいています。納車は最長で4カ月待ちです」
買い手の年齢層は高め
――購入を決めた客層には、どんな傾向がありますか。
「若い夫婦が家で充電するシーンをテレビCMで取り上げているように、お子様がいないか、まだ小さい30~40代のご夫婦のセカンドカーとしての需要をターゲットに据えていました。でも、ふたを開けてみると、60代以上が全体の40%を占めてボリュームゾーンになっています。当初の見込みに比べると、年齢層は高めです」
――シニアからの受注が多い理由をどう分析していますか。
「シニアの方々は軽EVの使…