4県知事サミット、脱炭素で意見交換

米沢信義、羽場正浩
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 山梨、静岡、長野、新潟4県の知事が14日、山梨県内で「中央日本四県サミット」を開き、脱炭素社会に向けた取り組みについて意見交換した。農業分野での地球温暖化対策について、農地に炭素を貯留して二酸化炭素を削減する取り組みの推進などを盛り込んだ共同宣言を採択した。

 4県を回り持ちで2014年から開催し、今年が7回目。知事らはまず、甲府市下向山町にある県の米倉山電力貯蔵技術研究サイトを視察した。この施設では太陽光発電を利用し、二酸化炭素を出さずに水から水素を製造する技術「P2Gシステム」の実証に取り組んでいる。

 水素発生システムのプラントや、工場などに輸送する水素運送用トレーラーなどを視察した知事らは、「製造コストが割高になるのをどう克服するのか」など、説明役の職員に熱心に質問していた。

 山梨市内の高台にあるホテルに移動した会議では、脱炭素化の取り組みを各知事がそれぞれ紹介。4県とも水力発電所や原子力発電所などを抱え、都市部に電力を供給する「エネルギー輸出県」の立場が共通しているとして「自分の県で賄えるほど発電しているのに、二酸化炭素削減への貢献が(国に)評価されない」などの問題意識を共有した。

 次回は静岡県で開催される。(米沢信義、羽場正浩)

リニア駅予定地 静岡知事が視察

 静岡県の川勝平太知事は14日、甲府市大津町リニア中央新幹線駅予定地を視察した。「山梨のリニア計画は順調に進んでいる」と早期の開業に期待を示す一方、東京・品川―名古屋間という開業区間については「フレキシブルに考えたほうがいいのでは」と述べた。

 川勝知事は、未着工のリニア新幹線静岡工区をめぐり、13日にJR東海の社長と2年ぶりに会談したが、着工を認めず物別れに終わっている。この日は山梨県で開かれた中央日本四県サミットに先立ち、駅予定地に近い公共施設の3階から視察、JR職員らの説明を受けた。

 川勝知事は、「(沿線10都府県でつくる)建設促進期成同盟会の副会長として調査の一環として視察した」と説明。「分散自立型ネットワークの時代にリニアはいらない、という意見も強い。一方で『時速500キロを体験したい』という人もいて、どうしたらリニア技術を新しい時代に生かすべきか危機感を持って考えるべきだ」と述べた。

 主張している神奈川―山梨間の部分開業で、山梨県や神奈川県との話し合いについては、「長崎知事とは信頼関係があり、虚心坦懐(たんかい)に話し合える状況を作りたい」と述べた。

部分開業議論は全体見通し後に

 山梨県の長崎幸太郎知事は四県サミット終了後、リニア計画について「全線開通が一番重要で最大限の効果を発揮する。早く解決の道筋を見いだしてもらい、みんなが承服できる形になることを希望する」と述べた。

 一方で「部分開業」については「南アルプスの長大トンネルは難工事になり得て、時間もかかる。そうなった時に、ほかの物ができていて遊ばせておくのはもったいない。全線開通の見通しができた後で、先行開業という議論も出てくると思う」と話した。