米主導のIPEF 「伝統的な自由貿易協定でない」マレーシア貿易相
ロサンゼルス=榊原謙
米国が主導する新経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」に参加するマレーシアのアズミン・アリ国際貿易産業相は、「IPEFは伝統的な自由貿易協定(FTA)ではないと理解すべきだ」と述べ、関税の削減による貿易拡大は見込めないとの見方を示した。参加する新興国からは不満の声も上がっているが、マレーシアは割り切って海外からの投資を呼び込む戦略に軸足を置く。
IPEF参加14カ国が今月、正式な交渉入りで合意したことをうけ、朝日新聞のインタビューに答えた。
自由貿易が雇用や産業を流出させたとの意識が米国内には根強いため、米国はIPEFで関税の削減・撤廃を議論しない姿勢を鮮明にしている。巨大市場の米国への輸出増につながりづらいため、新興国側からは「実利がみえない」との不満が当初から出ていた。
アズミン氏は「確かに関税の…