縄文の遺物を「芸術品」として展示 県立美術館

羽場正浩
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 いつもは考古学の対象となる縄文時代の遺物を、芸術品として鑑賞しようという特別展が甲府市山梨県立美術館で開かれている。県内の遺跡から出土した国重要文化財などえりすぐりの60点が一堂に集まった。キーワードは「かわいい、美しい、かっこいい」――。

 おなかの赤ちゃんをいたわっているような姿から「子宝の女神 ラヴィ」の愛称がつく円錐(えんすい)形土偶(南アルプス市)。「ウーラ」と呼ばれる仮面土偶(韮崎市)。流れるような文様が印象的な水煙文土器。これらは県内で発掘された縄文遺物の「逸品」だ。

 山梨、長野両県にまたがる八ケ岳周辺は全国有数の縄文遺跡がある。2018年には「星降る中部高地の縄文世界」として日本遺産に認定された。こうした「縄文王国」で発掘された土器や土偶は優れた造形美があるものの、とかく考古学的な紹介にとどまり、美術的視点から展示される機会は少ないという。

 10日から始まった特別展「縄文―JOMON―展」では、プロローグ、かわいい、美しい、かっこいい、エピローグの五つに分けて土器や土偶を展示し、透明ケースに並ぶ品々を間近で見られる。写真家の小川忠博さんが土器の周りをぐるりと写した、迫力のある展開写真もあり、実物の文様と対比できるよう趣向を凝らしている。

 県立美術館の平林彰学芸員は「山梨県は縄文時代中期のものが充実している。それらを代表する品々を、自由な感性で見て楽しんでください」と話している。

 特別展(朝日新聞甲府総局など後援)は11月6日まで(9月26、10月3、11、17、24、31日休館)。観覧料千円(大学生500円)。期間中は土器作りの体験会(23日)や、オリジナルペンダント作り(10月23日)などのイベントがある。問い合わせは、055・228・3322へ。(羽場正浩)