人工知能は記憶喪失の夢を見るか?(小原篤のアニマゲ丼)
ネタかぶりの話です。昨年10月公開の「ロン 僕のポンコツ・ボット」「アイの歌声を聴かせて」、今年1月公開の「アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド」、8月公開の「TANG タング」、10月21日公開の「ぼくらのよあけ」「アフター・ヤン」。6作とも、主人公が人工知能(AI)搭載のロボットと仲良くなった後に「記憶の消去」や「AIの初期化」といった事態が迫って――というお話。こうも続けざまだと「またか!」という気分になります。
「ロン」は米英合作CGアニメで、中学生の男の子がスマホの進化形のようなロボを相棒にして友だち作りに励むファミリー向けコメディー。「アイの~」は日本の長編アニメで、女子高校生が素っ頓狂な転校生(実はアンドロイドガール)と繰り広げる青春学園ミュージカル。「アイム・ユア・マン」は独の実写映画で、独身中年女性がイケメンの「彼氏ロボ」との同居を通じて自分を見つめる大人向けのシリアスでビターなドラマ。
「TANG」は英の小説を原作とした二宮和也さん主演の実写映画で、ダメ男と迷子ロボのハートフルなロードムービー。「ぼくらのよあけ」は日本の長編アニメで、小学生たちが宇宙から来たAIを故郷の星に帰そうとするジュブナイルSF。「アフター・ヤン」はコリン・ファレルさん主演の米の実写映画で、故障して動かなくなったシッターロボットのメモリーに秘められていた「愛」を知る静謐(せいひつ)な文芸作品。ネタはかぶっててもバラエティーは豊かですね。
大きくまとめれば、境遇や考…