露のガス、モンゴル通り中国へ 3首脳が新パイプラインの推進で合意

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北京=高田正幸
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 中国の習近平(シーチンピン)国家主席、ロシアのプーチン大統領モンゴルのフレルスフ大統領は15日、上海協力機構(SCO)首脳会議で滞在中のウズベキスタンで会談した。中国外務省によると、3者はモンゴル経由で中ロを結ぶ天然ガスのパイプライン建設計画を推進していくことで合意した。ウクライナ侵攻をめぐり米欧から制裁を受けるロシアを、中国が経済面で支える構図が強まっている。

 中国メディアによると、この計画は、モンゴルを通過し、ロシア西部と中国北部をパイプラインで結ぶ「シベリアの力2」で、年間約500億立方メートルの輸送能力を見込んでいる。

 中ロ間には2019年、ロシアと中国の東北部を結ぶパイプライン「シベリアの力」が一部開通し、現在も延長工事が進む。ロシア・サハリンの天然ガスを中国に運ぶパイプラインも計画中で、中ロのエネルギー安全保障をめぐる協力関係が深まりつつある。

 ウクライナ侵攻後、欧州などはロシアへのエネルギー依存の低下もはかっている。「シベリアの力2」が開通すれば、ロシアは欧州向けの天然ガスを中国に振り分けることも可能になる見通しだ。

 環境への配慮で石炭から天然…

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    服部倫卓
    (北海道大学教授=ロシア・東欧)
    2022年9月18日10時14分 投稿
    【視点】

    このニュースの捉え方は、露中が経済協力のさらなる推進で合意したというよりも、相変わらず中国側がロシアの足元を見て厳しい駆け引きを続けているという見方の方が正しいと思う。 もし本当に習近平政権が「シベリアの力2」に正式なゴーサインを出してい

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