竹中平蔵氏が振り返るパソナ会長職 利益誘導問われ「ゲスの勘ぐり」

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三浦惇平、内藤尚志
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 閣僚や政府の会議の委員を歴任して「構造改革」に取り組んだ竹中平蔵・慶大名誉教授(71)が、人材サービス大手パソナグループの会長を8月で退任した。13年間在任し、企業などからの受託・請負事業を中心に売上高を伸ばした。

 政府の会議では雇用制度の見直しも訴え、人材サービス会社側の利益になったのではないかと指摘も受けた。竹中氏は朝日新聞の取材に対し「雇用をつくる仕事をした。個別企業の利益のために政策を誘導したことはまったくない」と述べた。

企業経営に関わった理由、一部から利益誘導があったのではないかと批判されることへの反論――。記事の後半では、インタビューのおもなやりとりを紹介します。

 竹中氏は小泉政権で経済財政相や総務相などに就いた。政界引退後にパソナグループの創業者で経営トップの南部靖之氏に求められて特別顧問に就き、2009年から取締役会長になった。

 経済学者として雇用政策をめぐる制度に関心があり、企業の経営に携われば「制度のなかで社会問題の解決のためにできることもある」と考えたという。

 竹中氏は社内の会議で南部氏らと議論を重ねたが、事業の執行はせず、経営陣を励ます役割だったという。リーマン・ショック後の就労支援や農業人材の育成などに力を入れたとし、「雇用をつくる仕事をした」と主張する。

 退任の理由については、「パソナグループがコロナ禍から立ち直って経営の足腰も強くなり、また自らの年齢も考えて区切りだと思った」とした。

 雇用に関する制度は、竹中氏が政府の会議に入った1990年代後半以降に、大きな変更がいくつもあった。

 労働者派遣法の規制が緩和され、製造業への派遣が解禁された。09~12年の民主党政権下では「日雇い派遣」が原則禁止されるなど、規制の強化もあった。非正社員の雇用の安定をめざして「5年ルール」も導入された。

 その後の自民党政権では、残業の上限規制が強まった。この一方で、専門職の高年収の働き手を労働時間規制から外す高度プロフェッショナル制度もできた。

 パソナに限らず人材サービス会社は、雇用の規制緩和や公共サービスの民間委託の流れを受けて事業を拡大してきた。竹中氏は政府の国家戦略特区諮問会議や産業競争力会議、未来投資会議などのメンバーとして、規制の見直しを求めてきた。

 雇用制度をめぐる議論はいま…

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