3年ぶりに帰ってきた「宮一番」の誇り 岸和田だんじり祭

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田中章博
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 大阪・泉州の秋を彩る「岸和田だんじり祭」(大阪府岸和田市)が17日始まった。3年ぶりに帰ってきたのが、「宮一番」宮本町のだんじりだ。コロナ禍で祭りが事実上中止となった2年前。曳行(えいこう)を直前で自粛し、歩いて宮入りした1年前。次世代につなぐために今年こそ曳(ひ)かねば――。そう誓い、この日を迎えた。

 薄明るくなった午前6時前、南海電鉄岸和田駅前の商店街。法被姿の曳き手たちが宮本町のだんじり前に並んだ。曳行責任者の平原正和さん(55)がだんじりの正面に登る。

 「これまで色々と思うことがあったと思う。その思いをぶつけて祭りを楽しんでくれ」

 かけ声が響き渡る。「ソーリャ、ソーリャ」

 子どもの頃からだんじりに親しむ平原さんが身震いするほど緊張するのが、祭りの始まりとなる、この「曳き出し」の瞬間だ。

 宮本町は、岸和田地区のだんじり22台のうち15台が宮入りする岸城神社の宮総代を受け継ぐ。祭りでは毎年くじ引きなしで「宮一番」として先頭を務め、それを誇りにしてきた。今年は18日に宮入りする。

昨年は直前に曳行を自粛

 ただ祭りはコロナ禍で2020年、曳行を神事のみに限る事実上の中止に。緊急事態宣言下の21年は各町の判断にゆだねられ、だんじりを曳いた町会も多かったが、宮本町は直前に自粛を決めた。代わりに曳行さながらの隊列を組んで宮入りした。

 「せめて宮一番としてふさわしいやり方にした」と相談役の永谷久倫さん(68)。毅然(きぜん)とした姿は他町の関係者をうならせたが、平原さんには振り返りたくない記憶だ。「今年は絶対に曳かなあかん。若い世代に、宮一番の誇りを受け継いでもらえるように。安全を一番考えて冷静やないとあかん立場やねんけどね」

 前で曳く人、後ろで勢いをつ…

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