「電力不足→原発審査急げ」はお門違い 初代原子力規制委員長の反論

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聞き手・福地慶太郎、桜井林太郎
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 電力不足を解消するため、原発の審査を急げ――。政府・与党から、そんな声が盛んに聞かれるようになってきました。10年前、原発事故をふまえて発足した原子力規制委員会の初代委員長に就いた田中俊一さん(77)は、原子力をめぐる日本の現状をどう見ているのでしょうか。日本原子力発電東海第二原発が立地する茨城県東海村に隣接する、ひたちなか市の自宅で話を聞きました。

 たなか・しゅんいち 1945年1月、福島市生まれ。67年、東北大学工学部原子核工学科卒、日本原子力研究所入所。日本原子力学会長、内閣府原子力委員会委員長代理を歴任。福島第一原発事故後は福島県除染アドバイザーとなり、2012年9月から17年9月まで原子力規制委員長を務めた。

「推進側が全然ダメ」

 ――規制委の発足から9月で10年です。経済産業省という、原子力の推進組織にあった規制当局を切り離し、誕生したのが規制委ですが、狙い通りの姿にはなったのでしょうか。

 「規制委が発足したのは原発事故の翌年で、当時は原子力に対する社会の信頼がゼロでした。どう安全規制の信頼を取り戻すか。そこで打ち出したのが、透明性です。審査会合をオープンにして、中身をさらけ出した。今では、規制の信頼はある程度、得られたんじゃないでしょうか。でも、推進側が全然ダメですね」

 ――どこがダメですか。

 「原子力の利用について、国…

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