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じっとするのが苦手、はさみが怖い… 発達障害の子らに「散髪支援」

黒田早織
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 【兵庫】発達障害がある子どもたちには、散髪が苦手な子が多いという。安心して髪を切ってもらおうと、児童施設が今夏、「散髪支援」に取り組んだ。

 企画したのは、神戸市須磨区の児童発達支援・放課後等デイサービス施設「レプタ」。未就学~小学校低学年を中心に、発達障害などがある約30人が通う。遊び場であると同時に、発語の遅れなどの課題に専門家の指導やトレーニングも受けられる。

 「自閉症や注意欠陥・多動性障害ADHD)などの傾向がある子の髪を切るのは、実はものすごく大変なんです」。施設運営会社で共同代表を務める能島一彦さん(48)は話す。

 じっと座っているのが苦手、感覚が過敏ではさみの音が怖い、こだわりが強くなぜ髪を切らないといけないのかが分からない――。

 暴れたり号泣したりするので理容室に連れて行けず、子どもが寝ている間に散髪するという親の話も聞いた能島さん。「散髪への抵抗感をなくすことで、これからの人生が少しでも生きやすくなれば」。近隣の知り合いの美容師・大島昭人さん(56)に協力を依頼した。

 当日は施設の屋外デッキに椅子が用意され、6人の子どもが散髪に挑戦した。

 「バリカンやっていい?ビーって音するで」「水シュッシュするよ。冷たいの大丈夫?」。大島さんがこまめに声をかけ、職員や他の子どもが見守る中、散髪は順調に進んだ。襟足のカットなどでてこずる場面は、職員数人がかりであやして乗り切った。

 能島さんは「予想以上にうまくいった。他の子たちも散髪している安心感、屋外で切る特別感も大きかったのかな」。大島さんも「大泣きされるかと思っていたが、普段子どもをカットする時と同じだった」と笑顔で話した。(黒田早織)