「起きて」母は息子に話し続けた 命をつなぐため、飛び乗った新幹線

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米田悠一郎
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 常盤(ときわ)グリーンの車体が美しい東北新幹線「はやぶさ」は、優羽(ゆう)さん(9)が物心ついたときからのあこがれだった。

 岩手県に住む早紀(さき)さん(32)は、息子の優羽さんが3歳になる前、目の前を一瞬で過ぎ去るはやぶさを見て「あ!」と声をあげたのをよく覚えている。

 早紀さんは笑顔で語りかけた。

 「いつか乗れたらいいね。乗ってどこに行こうか」

 2018年2月、4歳になった優羽さんが久しぶりに38度台の熱を出した。近くの病院で風邪と診断され、解熱剤を処方された。

 約1週間後、早紀さんは、普段は1人で行く優羽さんのトイレにたまたま付き添った。

 おしっこの色が、今まで見たことのないような黄色だった。くみ取り式トイレの便器に、蛍光色のような跡が残っていた。

 1週間ほど経ったころ、優羽さんの目を見て気づいた。

 「白目も黄色い」

 ネットで検索すると、目や肌が黄色くなる黄疸(おうだん)かもしれないとあった。

 通っていた幼稚園のひな祭りのお茶会の後に、近くの病院に行くことになった。

 「おなかもしもしして、口あーんするだけだから」

 だが待っていたのは、採血の…

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    岡崎明子
    (朝日新聞アピタル編集長=医療、科学)
    2022年9月23日7時33分 投稿
    【解説】

    この記事を編集するデスクを担当しました。 今年の春、WHO(世界保健機関)が原因不明の小児肝炎が各国で相次いでいると報告しました。日本でも患者が報告されましたが、増えている兆候はありません。 肝炎は、全身のだるさや食欲不振といった症状が