安倍晋三元首相の国葬を控え、警備や要人警護の詰めの準備が進んでいる。警護の不備が安倍氏への銃撃事件につながっただけに、警察は万全の対応を求められている。21日には警察庁の露木康浩長官が会場の日本武道館(東京都千代田区)に赴き、自ら確認した。
27日に行われる国葬には最大約6千人の参列が見込まれ、海外からも首脳を含む多数の要人が来日するとみられる。
安倍氏が銃撃、殺害された事件を教訓に、警察庁は警護の運用方法などを定めた「警護要則」を全面的に改正。都道府県警が警察官の配置などをまとめた警護計画案を作成し、警察庁が事前に審査して必要に応じて修正するなど、警護のあり方を抜本的に見直した。警察庁や警視庁の警護にかかわる体制の拡充も進めることになった。今回の国葬は新たな仕組みのもとでの初の本格的な警護警備となる。
中心となる警視庁に加え、ほかの道府県警からの派遣を含め大規模な態勢で臨む方針で、一部の応援部隊が既に都内で活動を始めた。警護対象者1人あたりに付く警視庁のSPの数をこれまでより増やすなど、特に警護の態勢を強化する方針だ。
ある警察幹部は「過去の元首相らの内閣・自民党合同葬などと比べ注目度は高く、その分危険度も高い」と指摘。「リスクをきちんと評価し、適切な人員を充てなければならない」と話す。
警護については、安倍氏の事件のように、組織に属さず単独で行動する「ローンウルフ(一匹おおかみ)」型の犯罪も念頭に置く。インターネット上での書き込みを含め、犯行の兆候をつかむ情報収集を強化しているほか、銃や爆発物の原材料の購入に関する情報の把握にも力を入れているという。警察幹部は「事を起こす兆しを把握するための情報収集が重要だ」と話す。
また、国葬について国民の賛…
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