10歳の少女が見た世界を短編集に 大きな反響、2度目の増刷へ

富岡万葉
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 国や文化が異なる10歳の少女たちが見た世界を描く、やまじえびねさんの漫画「女の子がいる場所は」(KADOKAWA)が反響を呼んでいる。6月に発売されて以来、最近2度目の増刷が決まった。

 サウジアラビア、モロッコ、インド、日本、アフガニスタンで暮らす5人を主人公に、それぞれの日常を舞台にした短編集。

 “女の子だから”という理由で押しつけられる役割や価値観を淡々とすくい上げた。日本ではあまり知られていない国に焦点を当てて、文献や資料をもとに、それぞれの文化を調べた。

 遊びや読み書きの機会を奪われたり、男性の経済力に依存したりする女性たちが登場する。日本編には、主人公の女の子の母として、仕事に打ち込む女性が描かれている。同居する家族の支えや離婚した夫の受け止め方を通して、女性が家庭を持ちながら働くことの難しさを伝えている。

 作品全体で登場人物の大半は女性で、男女間や世代間の対立構造にはなっていない。やまじさんは今回、作画に注力し、通常の約3倍の作業時間をかけたという。セリフではなく表情で語らせる場面も多い。「直接的なメッセージを描くのは私のやり方ではない」と話し、読み手に解釈を委ねている。(富岡万葉)