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コロナ・インフル同時流行を懸念 発熱外来の拡充に自治体、試行錯誤

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野口憲太 枝松佑樹 編集委員・辻外記子
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 「ウィズコロナ」に向けた動きが進む中で、発熱外来の役割も変わりつつある。感染者が激増した「第6波」以降、症状の軽重にかかわらず、感染の疑いがある患者が発熱外来に殺到。検査も治療も受けられない人たちもいた。

 こうした課題の解消のため、感染者全ての発生届を出す全数把握が26日には全国一律で簡略化され、重症化リスクがある患者や高齢者に対象が絞られる。発熱外来は主にそれらの人たちを診ることが想定され、負担軽減が期待される。

 だが、厚生労働省や識者らが懸念するのが、今冬に想定されるコロナと季節性インフルエンザの同時流行だ。

インフル患者も発熱外来に集中の可能性

 発熱の症状があっても、本人には、コロナなのかインフルなのかわからない。自身で行う検査には限界があるため、医療機関を受診しがちだ。しかし現在、発熱外来以外の医療機関は発熱患者の診療を控えている場合が多い。インフルを含めた発熱患者は結局、発熱外来に集中し、発熱外来が逼迫(ひっぱく)しかねない。

 検査キットでコロナ陰性が確認された後のインフルエンザの診断治療では、抗インフル薬の適切な使用時期を逃す可能性もある。コロナ対策を助言する14日の専門家組織の会合でも、こうした課題が議論された。

 この点については政府と専門家が近く開く分科会で本格的に議論するが、「同時流行に打つ手などない」(分科会委員)という意見があるなど妙案はみえていない。

患者への感染、動線を懸念

 発熱外来の開始をちゅうちょ…

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