川で男児助けたファン、球団が粋な計らい 「ライオンズの誇りです」

仁村秀一
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 野球観戦に行く途中、川でおぼれていた男の子を助け、球場への到着が遅れたファンとその家族を改めて試合に招待する――。埼玉西武ライオンズがそんな粋な計らいをした。

 17日のベルーナドーム(埼玉県所沢市)での楽天戦に招待されたのは、同市の会社員・吉田和弘さん(44)と若松秀典さん(43)。近所に住む2人は7月下旬、朝霞市の会社員・竹内寿博さん(53)とともに川でおぼれていた小学生の男児を救助した。

 3人は熱心な西武ファン。その日も竹内さんが吉田さん宅を訪れ、ベルーナドームでの楽天戦に向かう途中、近所の川で男児がおぼれているのを発見した。意識のない男児を川から引き上げ、背中をたたいて水を吐かせるなどの救命措置をして、レスキュー隊に引き渡した。男児は一命を取り留め、吉田さんらは四回から試合を観戦した。

 3人の活躍を朝日新聞などの報道で知った球団側が「勇気ある行動をした3人に改めて最初からゆっくり試合を観戦して欲しい」と招待を申し出た。17日は吉田さんと若松さんがそれぞれの家族と球場を訪れた。竹内さんは都合が合わず、別日に観戦する予定。

 2人に記念品と辻発彦監督のサイン色紙を手渡した奥村剛球団社長は「皆さんのようなファンがいてくださることは、ライオンズの誇りです」とたたえた。

 2人はドーム内の大型ビジョンでも紹介され、来場者からの拍手に手を振って応えた。若松さんは「こんな大事になるとは思わなかったが、素直にうれしい」。吉田さんは「夢を見ているよう。家族も一緒に来られて喜んでいる」と終始、笑顔だった。(仁村秀一)