山梨県の長崎知事、再選へ立候補表明

羽場正浩 吉沢龍彦、米沢信義
[PR]

 山梨県長崎幸太郎知事(54)は21日に開会した9月定例県議会で、来年2月の任期満了に伴う知事選に再選をめざして立候補すると表明した。次期知事選への立候補表明は初めて。「山梨を後退させてはならない」として、「全県民が豊かさと幸福を分かち合える社会の実現に向けて前進する」と決意を述べた。

 長崎知事は提出議案説明の最後に知事選への所信を述べた。就任した2019年2月から3年半余を振り返り、新型コロナ対策や、医療機器や水素・燃料電池分野への企業参入の促進、小学1・2年生の25人学級導入などを挙げ、「県民全体の利益とは何か」を追求してきたと話した。

 また、「県民派」を掲げて「山梨を停滞させてきた方法や仕組み」を解消し、「県政の前進に向けて引き続き全力で取り組みを進めることをお誓いする」と語り、県民の信を仰ぐ考えを示した。県議会には「県民を代表する皆様とオール山梨で臨む」と訴えた。

 閉会後の取材に対し、再選立候補の理由を「(各施策の)種をまいて育ちつつあるが、まだ道半ば。しっかり巡航軌道に乗せなければならない」と話した。前回知事選は自民、公明両党の推薦を受けたが、今回は与野党を問わず「推薦していただける所は全部お願いしたい」と述べた。(羽場正浩)

     ◇

 知事選をめぐっては、自民党内の長崎県政に批判的な勢力が弱まり、立憲民主党の対応が今後の焦点となっている。

 県議会の最大会派「自民党誠心会」には、一時は定数37の4分の3を超す28人が所属。2020年秋に山中湖畔の県有地問題が表面化すると知事の対応を鋭く批判し、県が予算案に計上したこの問題の弁護士費用約2億円の大半を削除させるなど対決色を強めた。

 しかし、その後は長崎知事を支持して離脱する議員が相次ぎ、自民党系会派は四分五裂の状態に。先月には山田一功元議長ら3人も離脱し、誠心会は11人に減少した。知事を支持する3会派は計15人となり、ついに誠心会を上回った。

 一方、立憲民主党は今夏の参院選で自民党候補を全面的に支援した知事の政治姿勢を問題視。所属県議を中心に長崎県政の検証委員会を立ち上げた。

 コロナ対策やリニア新幹線事業など9項目の政策や政治姿勢を検証し、26日に結果をまとめる。

 知事選への立候補が取りざたされてきた立憲民主党の中島克仁衆院議員は「長崎知事を厳しく批判することと選挙に出ることはイコールではない」と態度を明確にしていないが、参院選で共闘した非自民勢力の中で中島氏の立候補に期待する声もあり、動向が注目される。(吉沢龍彦、米沢信義)