「共同体」が極端にすり減った日本社会 「葬儀」は消えてしまうのか

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神里達博の「月刊安心新聞+」

かみさと・たつひろ

1967年生まれ。千葉大学大学院教授。本社客員論説委員。専門は科学史、科学技術社会論。著書に「リスクの正体」など

 今年は、実に多くの著名人が亡くなった。思いつくままに挙げれば、政治家だけでも、海部俊樹元首相、石原慎太郎東京都知事安倍晋三元首相、ゴルバチョフ元大統領。そしてエリザベス女王が、他界した。

 どんなに時代が混迷しても、確実なことが一つある。それは私たちの誰もが、例外なく、いずれは死ぬ、という事実である。そしてつくづく、人類は不幸な存在だと思う。自分自身がいずれ消えてなくなることを、明確に理解しながら生きていかなければならないのだから。そんな生物は他にはいないだろう。

 弔いや宗教は、そんな死とい…

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    蟹江憲史
    (慶應義塾大学大学院教授)
    2022年9月24日8時38分 投稿
    【視点】

     昨年他界した父に呼ばれるようにして、今年母が他界した。献体のため葬儀は行わず、一年後に偲ぶ会を行った父だったが、母には葬儀を行った。それは、とてもよかったように思う。コロナ禍でなかなか会うことが出来なかった親戚や知人を招き、旧交を温める姿

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    長島美紀
    (SDGsジャパン 理事)
    2022年9月24日11時44分 投稿
    【視点】

    コロナ禍で簡素化、省略が進んだのがお葬式です。2020年に友人が叔父を見送ったそうですが、お通夜から納骨、初七日まで合計5時間ほどで終わったと聞き驚いたことがあります。 コロナ以前から、葬儀の簡略化が進み、家族中心で故人を見送る「家族葬」

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