「共同体」が極端にすり減った日本社会 「葬儀」は消えてしまうのか
神里達博の「月刊安心新聞+」
かみさと・たつひろ
1967年生まれ。千葉大学大学院教授。本社客員論説委員。専門は科学史、科学技術社会論。著書に「リスクの正体」など
今年は、実に多くの著名人が亡くなった。思いつくままに挙げれば、政治家だけでも、海部俊樹元首相、石原慎太郎元東京都知事、安倍晋三元首相、ゴルバチョフ元大統領。そしてエリザベス女王が、他界した。
どんなに時代が混迷しても、確実なことが一つある。それは私たちの誰もが、例外なく、いずれは死ぬ、という事実である。そしてつくづく、人類は不幸な存在だと思う。自分自身がいずれ消えてなくなることを、明確に理解しながら生きていかなければならないのだから。そんな生物は他にはいないだろう。
弔いや宗教は、そんな死とい…