夢かなえた力士・師子王 今も覚えている師匠の言葉 次の夢は

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抜井規泰
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 「高校に通え」。師匠の言葉で、師子王は通信制高校に入学した。現役で力士を続けながら、引退への準備を始めた。

 2010年初場所後。31歳で高校を卒業し、専門学校に合格し、現役を引退した。

 中学を卒業した15歳の春から暮らしてきた相撲部屋を出て、独立しなければ。でも、アルバイトでお金を稼いで部屋を借り、自活し、専門学校の学費まで出せるだろうか。

 不安を抱いていた師子王に、師匠が言った。

 「ここに居ろ。お金をためなさい」

 引退して力士ではなくなったのに、まだ衣食住の面倒をみてくれるという師匠の言葉が、うれしくて、申し訳なかった。

 幕下以下の力士たちは大部屋での集団生活だ。十両以上の関取に出世すると、個室が与えられる。引退した師子王は、憧れだった個室を許され、部屋のマネジャーのような仕事をしながら、専門学校に通った。

 国家試験合格は、真っ先に師匠に知らせた。「おめでとう。頑張れよ」。今も覚えているその声に、涙が止まらなかった。

 資金をため、物件を探し、4…

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