アルバイトから同じプロへ その歩みを福留孝介は見てくれていた

有料記事千葉ロッテマリーンズ

平田瑛美
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 およそ2年半ぶりの再会に、胸がいっぱいになった。

 「おう、頑張ってるな。おめでとう」

 今年6月のZOZOマリンスタジアム。ロッテ対中日の交流戦の、試合前のことだ。

 今年3月に支配下登録されたばかりのロッテの小沼(おぬま)健太(24)は、中日の福留孝介(45)に駆け寄った。

 ドキドキしながら、あいさつした。まさか、球界最年長選手が覚えてくれているとは思わなかった。

 はじめて出会ったのもグラウンドの上。だが、2年半で立場は変わった。

 2020年、阪神に在籍していた福留は沖縄・宜野座での春季キャンプで汗を流した。独立リーグ・BC茨城の投手だった小沼は、そこにアルバイトの一人として参加していた。

 小沼の主な仕事はバッティングピッチャー。その他にも野手の練習を補助するのが役目だった。

 当時、小沼は1~2メートルの近距離から打者に投げるティーバッティングの際、うまく投げられないイップスに悩んでいた。

 見かねた周囲が笑いに変えようと動いた。「福留さん、こいつにティーの相手させてやってください」

 小沼は福留にティーを上げることになった。

 チーム最年長で大リーグ経験者の福留を相手に緊張は増し、余計にうまく投げられなかった。福留のひざに何度もボールをぶつけた。

 効率の悪い練習に嫌気が差しているのでは――。だが、福留が発した言葉は予想外だった。

 「こっちはプロなんだからど…

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    稲崎航一
    (朝日新聞編集委員=スポーツ、野球)
    2022年9月23日14時24分 投稿
    【視点】

    知られざる「いい物語」です。 小沼さんはティー打撃のトスを上げる「イップス」だったそうですが、打撃投手をしていて緊張して「イップス」になる人は多いと思います。特に上級生に投げることが多い学生野球では。 レベルは違えど、わたしも似た経験が