ミッションは「売れる授産製品」 大学生が社会課題に挑む 岐阜

松永佳伸
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 障害者施設でつくる菓子やパンなど自主製品(授産製品)の知名度を高めるため、岐阜県大垣市の岐阜協立大学の学生たちが知恵を絞っている。施設側と意見を交わしながら商品の改良や売り方などを提案。SNSでの発信など、特に学生が得意とする分野での活躍が期待されている。

 福祉事業所や共同作業所では、障害者の就労意欲の向上や社会参加、自立した生活につなげるための作業訓練として、雑貨や食品の加工、野菜の栽培などをしている。実は「おいしいもの」や「かわいいもの」を販売していても、消費者にはあまり知られていない。販路が限られていることも多くの施設が直面する課題だという。

 そこで大垣市は今年度、障害者施設の自主製品の魅力向上を図る事業を同大学に委託することにした。売り上げを伸ばして障害者の賃金を増やすとともに、若い世代に障害者への理解を深めてもらうねらいもある。

 同大学の経済学部の学生らでつくる「マイスター倶楽部」が魅力向上プロジェクトを立ち上げた。参加するのは、いずれも同市内に拠点を置いて、手作りのパンや焼き菓子、ケーキなどを製造・販売する「パン工房ドリーム」「かわなみ作業所」「かがやきネットワーク」の3事業所。

 学生たちはまず、各事業所を訪れてヒアリングした。消費期限による廃棄問題、コロナ禍による販売機会の減少、情報発信の弱さ……など課題が浮き彫りになったという。

 今月6日には、事業所の職員を大学に招いて初めてのワークショップを開いた。売れ筋の商品を取り上げて、価格設定や商品の改良、パッケージデザインなどについて意見交換した。

 4年生の北村瞭さんは「事業所で働く障害者は社会参画へのモチベーションが高く、利用者の特徴を生かした商品づくりや新商品の開発意欲などが伝わってきた」と話す。

 「SNSの活用など事業所が取り組めていない分野への期待が高いと感じた」と話すのは、4年生の服部透也さん。「商品づくりを通して作り手も買い手も、ともに喜びを分かち合うことができ、日々のエネルギーにもつながる。枠にとらわれない発想やアイデアを提案したい」と意気込む。

 学生たちは今後もワークショップを重ねる。情報発信や売り方、自主製品を盛り上げるための仕掛けについて考えをまとめる。年度内には製品の改良など実践に移して、売り上げの増加をめざす。(松永佳伸)