第17回中国の車両を新幹線と比べたら今や… 日本がなお、追い求めるべきは

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聞き手・吉岡桂子
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 新幹線やTGVなど日欧の技術を吸収して世界最大の高速鉄道網を発展させた中国。2000年前後の高速鉄道商戦のさなか、国際協力機構(JICA)の長期専門家として北京に駐在し、技術者の指導にあたっていた大沼富昭さんにきいた。

 あれから20年。日本と中国、どちらが「上」ですか。

大沼 富昭さん

1947年生まれ。日本鉄道建設公団(現鉄道・運輸機構)に入り、99年から3年間、国際協力機構(JICA)専門家として北京に駐在。日中鉄道友好推進協議会事務局長も務めた。現在、海外鉄道技術協力協会(JARTS)総務部参与。

 ――1999年から3年間、日本鉄道建設公団(現鉄道・運輸機構)から鉄道電気の専門家として北京に駐在しました。

 日本政府は中国と国交正常化した7年後、1979年暮れから30年間にわたって長期専門家を派遣しました。運転、土木、信号、電化など幅広い分野で技術を指導したり、日本の鉄道施設を視察してもらう企画を作ったりしていました。

 日本は戦中、中国で南満州鉄道(満鉄)など鉄道を建設しました。戦後も日本人の技術者が中国鉄道省の要請をうけて残留し、建設やメンテナンスなどについて指導しました。

 私が長期専門家として東北地方旧満州)で技術指導した時、受講生から何度も聞いた話が記憶に残っています。残留した日本の技術者による真摯(しんし)な指導に、自分の親はとても感謝している、と。侵略した日本軍の鉄道兵であるにもかかわらず、当時の資料を持参する受講生もいました。

 ただ、中国の鉄道技術は戦前から欧州の技術が採用されており、現地の機器もほとんどが欧州製でした。信号や電化はフランスの規格を基盤にして発展させました。現在の高速鉄道にいたるまで、そうです。

 このため、国際規格となっていない日本の技術を紹介するには苦労しました。

手強い独仏 官民一体で攻勢

 ――確かにフランスは196…

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