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難病のことを知って 山口の小学生の折り紙を全国で展示へ、寄付募る

太田原奈都乃
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 心臓病の息子の折り紙を全国の図書館で展示し、内部障害や難病のことを知ってもらいたい――。47都道府県の巡回展示をめざす山口県山陽小野田市の北永千賀さん(46)が、クラウドファンディング(CF)で29日まで資金を募っている。

 長男の健人君(9)は小学4年生。「見た目は元気いっぱい」(千賀さん)だが、先天性の心臓病「ファロー四徴症(しちょうしょう)」など複数の難病を抱え、腹部にペースメーカーを埋め込んでいる。

 疲れやすかったり、腹部を圧迫する運動はできなかったり。友達から「さぼってる?」と誤解されることもあった。小学2年生になると「こんな心臓なんかいらない」と泣き叫んだ。

 新型コロナにかかると重症化するリスクがある。医師の判断の下、感染が広がる度に自主休校し、自宅で過ごす時間が増えた。

 そんな健人君を夢中にさせたのが折り紙だった。

 図書館で借りた折り紙作家の解説本を読み、めきめきと上達。昨年の夏休みには全国の「ゆるキャラ」を再現し、畳2畳分もある全国地図「日本全国ご当地キャラクター コロナに負けるな」に仕上げた。

 市内の図書館で展示すると、館長が言った。「図書館にはたくさんの本があるから一緒に置けますね」

 そこで思いついたのが「図書館だからこそできる難病啓発」。今回は折り紙とともに、難病に関する本や闘病記といった蔵書を並べる。千賀さんが県支部長を務める「全国心臓病の子どもを守る会」の啓発冊子も置く。西隣の福岡県でスタートし、折り紙を始めるきっかけになった作家が暮らす千葉県でゴールする計画だ。

 「息子を出産するまで、ペースメーカーを入れた子と会ったことも、心臓病のことを考えたこともなかった」という千賀さん。外見ではわかりにくい「内部障害」や難病の人の生活には周囲の理解と配慮が欠かせない。「ちょっと知っているだけで助けになれることがある。展示がその小さなきっかけになってくれたら」

 支援は「READY(レディー)FOR(フォー)」で受け付けている。プロジェクト名は「心臓病の息子の折り紙作品展示で難病啓発を全国に」。目標金額は94万円で、主に輸送費にあてるという。(太田原奈都乃)