距離縮めるトヨタと経団連 豊田章男社長、財界活動を本格化か
編集委員・木村裕明 近藤郷平
トヨタ自動車と経団連が、自動車産業のカーボンニュートラル(脱炭素化)への対応を巡って関係強化に動き出した。日本を代表するグローバル企業と財界総本山が互いの距離を縮め、豊田章男社長(66)が財界活動を本格化させる一歩を踏み出すのではないか――。そう、経済界が注目する。
経団連は十倉雅和会長(住友化学会長)の任期の2年目に入った6月、三つの委員会を新設した。日本経済の成長の牽引(けんいん)役として期待されるエンターテインメントやコンテンツなどのクリエーティブ産業、バイオ産業、自動車産業を中心とするモビリティー産業の3分野の振興や国際競争力の強化について関係企業が議論し、政策提言につなげようというものだ。
なかでも、経済界の話題を集めたのが「モビリティ委員会」。経団連には財政や税制、社会保障、雇用などさまざまな政策分野について議論する委員会が50近くあり、「モビリティ委員会」はその一つに過ぎない。だが、経団連が参加を希望する企業を募ったところ、自動車業界はもちろん、鉄道や航空、観光、IT、金融など幅広い産業から200社以上が手を挙げた。
数十人規模で構成される委員…