「わかる人にはわかるのね」カシオ新入社員がレゲエに革命起こすまで

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鷲田智憲
【動画】カシオトーンMT-40に内蔵された伴奏曲「rock」
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 カリブ海の島国ジャマイカが生んだ大衆音楽「レゲエ」は、ベースとなるビート「リディム」に、歌詞などをのせて音楽にする。有名なリディムになると、さまざまな歌手がこぞって使う。1980年代以降、レゲエ界に革命を起こしたとされるリディム「スレンテン」がある。その元となった曲をつくったのは、カシオ計算機に入社したばかりの日本人だった。

 「上司の前で好きな音楽を弾いてみよう」。カシオ計算機の新入社員だった奥田広子さんは、音大卒の同期と一緒に社員らの前で演奏会を開いた。80年のことだ。クラシックなどの曲が続く中、奥田さんはレゲエのジャンルの一種「DUB(ダブ)」をキーボードで弾いた。周囲と一線を画する過激な選曲はみんなを驚かせた。

 幼少期からピアノに親しみ、70年代にはブリティッシュロックに夢中になった。レゲエの魅力にはまったのは、国立音楽大楽理科で音楽理論などを学んでいたころだ。「歌詞はすごく重たくて暴力的なのに音楽は明るい。同じ抵抗の音楽でもイギリスでは暴れるのに、なんでこの人たちは明るく歌えるのか」。レコードを買いそろえ、卒業論文もレゲエをテーマにした。

 でもそのときは、自身が手がけた曲がレゲエ界に大きな影響を与えることになるとは、全く思っていなかった。

 奥田さんが新卒で入社した8…

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