第131回バス代27円も我慢、17才が欲しいもの ウクライナに迫る冬

有料記事ウクライナ情勢

イルピン=多鹿ちなみ
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 ウクライナに少しずつ、冬の足音が近づきつつある。夜は10度を下回り、人々は日中でもコートや薄手のダウンを着込む。ロシア軍による侵攻から24日で7カ月。厳冬が迫るまでに、破壊された自宅をどう修繕するか。問いが切実になりつつある。

 侵攻の激戦地の一つとなった、キーウ近郊のイルピン。9階建て集合住宅の2階に住むオリガ・プレードゥコさん(17)は「窓もない。ガスもない。ここで冬を越すのは無理だと思う」と力なくつぶやいた。

 自宅の向かいに目をやれば、黒こげの9階建て集合住宅がたたずむ。

 オリガさんの建物は、ミサイルの直撃こそ免れたが、破片が飛んできた。窓ガラスが割れ、家の壁に穴を開けた。自室の窓枠には透明な薄いビニールシートが張られている。隣の部屋では、薬局勤務で夜勤明けの母ナタリアさん(38)が眠っていた。

 弟との3人暮らし。侵攻直後、親戚を頼って120キロ離れた街へ避難。7月に戻ると、別の街になっていた。それでも、周囲に気を使う避難先より、住み慣れたこの家がいい。ただ唯一、我慢できなくなってきたのが寒さだ。

冬は零下20度に 欲しいものは…

 「知り合いがヒーターをくれたけど、全然暖まらない」。窓枠のビニールシートのすき間からは、冷気が入り込む。夜は毛布が手放せない。

 戦争前は街に友達と夜まで繰…

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