国葬で学校に弔意求めず 安倍氏の地元・山口のほぼ全市町

国葬

武井宏之、太田原奈都乃
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 安倍晋三元首相の国葬をめぐり、安倍氏の地元・山口県で、19市町の教育委員会のうち18市町の教委が小中学校に弔意の表明を求めないことが、朝日新聞の22日までの取材でわかった。県教委は県立学校に半旗を掲げて弔意を示すよう求めており、対照的な対応になった。

 山口県教委は20日、県立の高校や特別支援学校など計61校に対し、国葬が行われる27日に国旗と県旗を半旗にして弔意を表すよう求めた。朝日新聞が20日までに全国の都道府県・政令指定市の各教委に行った調査では、何らかの形で学校に弔意表明を求めたのは山口県のみだった。

 県教委は県内19市町教委に対し、県立学校で半旗掲揚する方針を参考情報として伝えた。だが、これを受けた対応を市町教委に尋ねたところ、18市町は学校側に弔意表明を「求めない」「求めない方向」と回答。残る萩市は「検討中」とし、26日までに対応を決めると答えた。

 県教委は、7月にあった安倍氏の家族葬の時も同様の対応をした。この時は19市町教委のうち下関や防府、下松など8市教委が市立小中学校に半旗掲揚するよう求めたり、協力を依頼したりしていた。

 対応を変えた理由として多く挙がったのは、自治体や教育委員会に「弔意表明の協力の要望を行うことはない」とした8月末の永岡桂子文部科学相の発言だ。山口市教委は「学校へ半旗掲揚を強制しないでほしいという要請が多く寄せられた」、岩国市教委は「国葬に様々な意見があることがわかった」ことも挙げた。

 また、7月の葬儀の際、柳井など3市と周防大島など5町が県教委からの参考情報を学校に転送したが、国葬では多くがこうした対応も取らない。田布施町教委は「参考情報でも送ると誤解を招く」と説明。宇部市教委は逆に「通常通りの対応」を求める通知を出し、学校現場を混乱させないよう配慮するという。武井宏之、太田原奈都乃)