子ども医療費タダ、自治体間競争に 「最低」と言われた横浜も動いた

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足立優心、小林直子
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 「横浜市の子育て支援は最低」。7月、横浜市で小学生2人を育てる40代の女性がこんなツイートをすると、1万件以上の「いいね」がついた。コメントも140件ほど書き込まれた。

 横浜市で医療費が一律無料なのは、0歳児のみ。中3まで助成対象だが、1歳から保護者の所得額によって助成の内容が変わる。

 小4以上は、所得制限額に達しない世帯も通院1回につき上限500円の一部負担金が生じる。

 女性と子どもはぜんそくの持病があり、定期的な受診が欠かせない。女性の世帯は所得制限額を超えるため、子どもの医療費は大人と同じ3割負担だ。

 医療費を抑えるために、女性が自身の受診を控えることもあるという。

 厚生労働省の2021年4月時点の調査では、子どもの通院医療費の助成に所得制限を設けているのは全国で220市町村と少数派。横浜市のほか、札幌市大阪市などだ。

 所得制限がないのは1521市区町村。東京23区やさいたま市などは、所得制限のほか、一部負担金も設けていない。

 女性は「ほかの自治体のように子どもの医療費が無料だったらいいのに」と言う。

 子どもの医療費に対する助成を拡充する動きが各地で加速しています。東京23区、横浜市、名古屋市南九州市など、自治体が競うように子育て世代にやさしい施策を打ち出しました。背景にあるのは、人口減に対する危機感。先行して無料化に取り組み、人口を増やしている兵庫県明石市の泉市長にも話を聞きました。

子育て支援は「一丁目一番地」

 横浜市の人口は377万人超。中学生まで一律で全額を助成すると、追加で年間39億円が必要になる。事業規模が大きいため、歴代市長は段階的に拡充を進めてきた。

 だが、東京23区の区長でつくる「特別区長会」が6月、来年度から全額助成の対象を高校生までにする方針を打ち出した。拡充に慎重だった横浜市議の中からも「容認せざるをえない」という声が出始めた。

 山中竹春・横浜市長は8月、1年前の市長選で公約に掲げていた中学生までの一律全額助成を発表。来年度中に所得制限と一部負担金を撤廃する方針を示した。

 背景には人口減がある。横浜…

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    宮坂麻子
    (朝日新聞編集委員=教育・こども)
    2022年9月26日10時59分 投稿
    【視点】

     子どもの医療費負担は、各家庭の経済格差が開く中で大きな問題だ。子どもは、深夜や休日に熱を出す場合も多く、「医療費免除」がない上に、追加費用があると、連れて行くことを躊躇する家庭もあるだろう。今回のように自治体が助成制度を拡充することは、も