「暴排」の抜け穴にメス デポジット式カード詐取の疑いで組長ら逮捕

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 暴力団の活動への規制の網が強まるなか、愛知県警がこれまで手つかずだった領域に捜査のメスを入れた。申込時の暴力団排除(暴排)を掲げていないデポジット式カードについて、身分を偽って入手したとして暴力団幹部らを逮捕したのだ。暴排の動きが更に広がるかどうかの試金石になり得る事件といえ、検察の刑事処分の行方が注目される。

 焦点となったのは、各地の高速道路でETCが利用できるデポジット式の「ETCパーソナルカード」。県警は今月6日から9日までに、国内最大の暴力団・山口組系組長の男(56)ら組員9人を逮捕。2015年10月~21年12月に、暴力団員であることを隠してこのカードを入手した詐欺の疑いが持たれている。

 多くの金融機関は暴力団員らに預金口座やクレジットカードを作らせないために暴排条項を設けている。申し込みの際には暴力団関係者かどうかを確認するなど身分確認は厳格で、クレジットカードとひも付いたETCカードを暴力団員は所有することができない。

 一方、保証金を前払いするデポジット式カードの規約には、発行を拒む対象として「暴力団員」とは明記されていない。このため、県警はこのカードが暴力団に広く利用されているとみており、「反社会的勢力が割安サービスのあるETCを使う抜け穴になっていた」(捜査関係者)。

 ただ、規約にはカードの利用…

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