「ひきこもり」でなく「こもりびと」 独自呼称の市が条例を制定へ

上嶋紀雄
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 「ひきこもり」ではなく「こもりびと」――そう独自の呼称をつけ、ひきこもり状態の人を支援している神奈川県大和市が、市民の理解を深め、当事者やその家族が孤立しないよう施策を推進する「こもりびと支援条例」を制定する。条例案を開会中の市議会本会議に提案。可決後の今月27日の施行を目指す。

 市はひきこもりが若年層だけでなく、中高年も含めた幅広い年代にみられるとして、2019年10月に「より温かみのある呼称」を用いた「こもりびと支援窓口」を設置。相談を受けるだけでなく、当事者の集いや講演会を開くなどの取り組みを進めてきた。

 条例案では、ひきこもりを、就学や就労などの社会的参加を回避し、おおむね6カ月以上にわたり家庭などにとどまり続けている状態と定義。「希望する時に必要な支援につながることのできる地域社会の実現に寄与することを目的」とし、市の責務のほか、市民や関係機関の役割として「施策に協力するよう努める」と定めている。

 市は内閣府の調査を踏まえ、市内の15~64歳でひきこもりが約2300人いると推計。支援窓口には開設から今年7月までに236人から1482件の相談があったという。市の担当者は「条例施行で市の姿勢や取り組みをより周知し、より多くの相談につなげていきたい」と話している。(上嶋紀雄)