ウクライナ軍参謀本部は23日、同国東部と南部のロシア軍占領地域で行われている「ロシアへの編入」を問う親ロ派勢力の住民投票について、「ロシア側が武器で住民を威嚇し、精神的な圧力をかけて投票への参加を強制している」と非難した。インタファクス・ウクライナ通信が伝えた。
参謀本部によると、東部ルハンスク州の一部の市では、23~27日の住民投票の期間中、住民の市外への外出を禁止。武装した集団が家々を回り、住民に投票参加を強制しているという。SNSには、中南部ザポリージャ州の集合住宅の監視カメラの映像として、投票箱を持った人が銃で武装した男に伴われて住民を訪れている様子が投稿され、強引な手法に批判が集まっている。
参謀本部はさらに、南部ヘルソン州では、ロシア側が物資を配る見返りに住民に個人情報を求めているとも指摘。ロシア側が一部を占拠するザポリージャ州でも、ロシアの市民権取得に必要な個人情報を提供すれば、金銭や家電製品を渡す約束をしているとも報告したという。
ロシアメディアは、投票は順調に進んでいるとする現地の選挙監視員の話を紹介。親ロ派当局の話として、23日夕までに全体の投票率は15%以上になったと伝えた。
一方、米国のバイデン大統領は23日の声明で、投票は「ウクライナの一部を力で併合しようとする偽りの口実であり、国連憲章を含む国際法の目に余る違反だ」と断じた。
こうしたなか、ロシアではプーチン大統領の号令による予備兵の動員が進むが、混乱も起きている。
ロシアの独立系メディア「ノーバヤ・ガゼータ・ヨーロッパ」は22日、30万人とされた動員予定数が3倍以上の100万人の可能性があると報道。ロシア大統領府はすぐに否定したが、波紋が広がった。
また、ペスコフ大統領報道官の息子が、兵役逃れを示唆したとされる電話の音声がSNS上で拡散。ペスコフ氏は、音声は発言の一部が切り取られたものだと釈明に追われた。
物議を醸した電話の内容
拡散された音声は、ロシアの…

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