ロッテ場内アナウンス2000試合 佐々木朗希の完全試合、その時は

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上保晃平
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 プロ野球千葉ロッテマリーンズのホーム戦で、場内アナウンスを担当する谷保(たにほ)恵美さん(56)の「連続出場」が1800試合を超えた。合計でも2000試合に到達したのをきっかけに、初の著書「谷保恵美のまもなく試合開始でございます♪」を出版する。「等身大の自分を書いた。特に同年代のロッテファンに読んでほしい」と話す。

 もともと声を出したり、歌ったりするのが好きだった。高校野球の監督をしていた父の影響で、小学生の頃にはテレビで見た甲子園の場内放送のまねをしていた。

 高校から野球部のマネジャーを務め、短大1年の秋に球場でアナウンスをする機会に恵まれた。「試合をとめないよう、次に何を言うか早めに準備しないといけない」。実際にやってみて、責任の重さとやりがいを感じた。

 「場内アナウンスを仕事にできないだろうか」。卒業後、官公庁などで働くなかで、そんな気持ちが抑えられなくなった。インターネットも普及していない時代。「もしかしたら空きが出るかも」と、全球団に2年間、電話をかけ続けた。そして1990年、ロッテオリオンズ(当時)に入団した。

 それからは自分の声をカセットテープに録音したり、球場に足を運んだりして勉強した。91年3月に2軍のオープン戦で場内アナウンサーとしてデビューを果たすと、同じ年の8月9日に初めて1軍の公式戦を担当した。

 以来、32シーズンにわたり2027試合で声を響かせてきた。「最初はアナウンスだけに一生懸命だったけど、だんだん球場全体を見てできるようになった」

 体やのどの調子を崩さないように、生ものや辛いものを食べるのは避けている。96年10月1日からは、1試合も休まずにアナウンスを続けてきた。

個性的な選手の呼び方、その理由は?

 「サブロ~~~」と極端に語尾を伸ばす個性的な選手名の読み上げ方が注目された。ZOZOマリンスタジアム名物の一つとして知られるようになった。

 著書では、その舞台裏を明か…

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    田中俊之
    (大妻女子大学准教授 男性学研究者)
    2022年9月25日11時23分 投稿
    【視点】

    コロナ禍が始まったころはプロ野球も無観客で実施されていたことを思うと、こういったニュースは苦しい状況ながらも少しずつ日常を取り戻せていることを実感でき勇気づけられます。いつか千葉ロッテマリーンズのホームゲームで谷保さんのアナウンスを聞いてみ

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