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第1回発達障害の大学生、30社インターンで全敗 3年後に内定つかむまで

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遠藤隆史
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 その大学生の女性は、企業のブースに居残って採用担当者に質問を何度も繰り返していた。1コマ30分の時間を超え、次のブースへの移動時間にさしかかっていた。

 2019年2月、関東地方の大学。数十社の企業が集まった合同説明会が開かれた。

 その一角。大学3年で21歳だったアヤカさん=仮名=は、次に順番を待つ学生の姿が目に入らないほど熱中して、自分の聞きたいことをしゃべり続けた。その様子に驚いた企業側から、大学側に連絡が入ったほどだった。

 大学で就職支援を担当する職員は、アヤカさんにスケジュール帳を見せられて驚いた。

 「インターンの予定を入れました」と両手で開いた手帳。2~3月の欄は、短期インターンの予定でびっしりだった。アヤカさんが参加した短期インターンは30社以上。職員は「うちの大半の学生が参加するのは5~6社程度。(アヤカさんは)多すぎてびっくりした」と振り返る。

 アヤカさんには発達障害があった。

就活でぶつかった壁

 しかし、本人はそのことを知…

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    宮坂麻子
    (朝日新聞編集委員=教育・こども)
    2022年10月7日8時6分 投稿
    【視点】

     発達障がいのある子どもたちにとって、学校での学びが一つ目の壁。そこを乗り越えると、進学の壁がやってきます。ここまでの環境整備は少しずつ進みつつありますが、その先に就職という大きな壁が立ちはだかります。  発達障がいを含めて、障がいのある