第2回強気の国葬決断、狂った歯車 岸田首相の「聞く力」は発揮されたか

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西村圭史
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国葬の代償(第2回) 決断

 「行政訴訟のリスクがあります」

 元首相、安倍晋三の国葬を検討するよう指示した首相の岸田文雄に、最初に示されたのは、反対意見だった。

 国葬を定めた法律は、ない。すべて国費で負担するうえ、国民に弔意を強制すると受け止められる恐れもあった。

連載「国葬の代償」(全5回)はこちら

安倍晋三元首相の国葬が執り行われました。しかし、世論の賛否は割れたままで、内閣支持率も急落。岸田文雄首相は代償を払うことになりました。舞台裏で何が起きていたのか。5回にわたってお伝えします。

 戦前には「国葬令」があったが、1947年の日本国憲法の施行に伴い廃止された。首相経験者の国葬は、67年に閣議決定をもとに実施した吉田茂以降は開かれていない。80年に死去した大平正芳以降は「内閣・自民党合同葬」が慣例だった。

 「今までの首相経験者とは違う形で評価すべきだ」

 岸田には、安倍は他の首相経験者とは違うとの思いが強かった。安倍は憲政史上最長の8年8カ月にわたって首相を務めた。そして選挙の遊説中に凶弾に倒れた。海外からは多くの弔意が届いていた。

 「国際的な評価は想像以上だ」

 一方、安倍政権には「森友・加計学園」「桜を見る会」など行政の公正性を揺るがす問題があった。安倍の政治的評価はまだ定まっていないとの指摘もあった。

内閣法制局からの知らせ

 岸田は周囲に「国内の評価は正直色々ある」とも漏らした。

 そこで政府内で浮上したのが…

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