コロナと始まった大学生活、壊れた家族 有名私大生が放火に至るまで

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村上友里、田中恭太
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 大学の授業はオンラインで、サークル活動もない。友人にもほとんど会えない――。有名私大に入ったものの、コロナ禍でそんな生活を続けた男(21)は、ふと見つけた空き家に忍び込み、火をつけた。「恵まれた生活」が壊れていく様子が、法廷で明らかになった。

 6月に東京地裁で開かれた初公判。被告の男は、長髪を後ろで束ね、上下黒のスーツ姿で現れた。

 2021年11月13日午前3時半ごろ、東京都世田谷区の2階建て空き家のソファに火を付け、約60平方メートルを焼損させた、として非現住建造物等放火の罪に問われた。

 検察官が起訴状を読み上げると、男はまっすぐ前を見て「間違いありません」と答えた。

 検察側の冒頭陳述などによると、男はあの日、コンビニでたばことライターを購入して自宅周辺を歩いていたところ、空き家を見つけた。中に入ってガス入りのスプレー缶を見つけると、ソファに噴射してライターで火をつけた。

 なぜそんなことをしたのか。7月にあった被告人質問や母親の証人尋問で、男が「異常な2年間だった」という家族の生活が語られた。

大学に行ったのは1年で3日

 20年1月、日本で初めて新型コロナの感染者が確認された。

 同年4月、男は高校からの内部進学で都内の有名私大に入学した。しかし、直後に不要不急の外出の「自粛」を求める緊急事態宣言が出された。

 大学の授業はほとんどオンラ…

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きょうも傍聴席にいます。

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事件は世相を映します。傍聴席から「今」を見つめます。2017年9月~20年11月に配信された30本を収録した単行本「ひとりぼっちが怖かった」(幻冬舎)が刊行されました。[記事一覧へ]