• アピタル

医学実験でC型ウイルス感染、薬は高額… チンパンジーの余生にCF

有料記事

杉浦奈実
[PR]

 医学の発展のためにC型肝炎ウイルスの感染実験を受けたチンパンジーに、治療薬を与えたい――。京都大学のチームが、過去に医学研究に使われたチンパンジーが余生を過ごす「熊本サンクチュアリ」(熊本県宇城市)のチンパンジーの治療費をクラウドファンディング(CF)で募っている。

 チームによると、1970年代以降、日本や欧米各国で、チンパンジーにウイルスを接種して感染させてワクチン開発の研究などをしてきたという。ただ、チンパンジーはヒトに近く絶滅危惧種ということから医学実験に使うことは倫理的に不適切だとされるようになり、2000年代に入ってから、日本を含め世界的に、チンパンジーを使った医学研究はされなくなった。

 宇城市の山中にある熊本サンクチュアリでは、日本各地の大学や研究機関でかつて実験を受けたチンパンジーが余生を送っている。

 研究が終わっても、感染の影響は残る。C型肝炎ではウイルスが体内に残ったままになる「持続感染」になる個体もある。熊本サンクチュアリでは現在、35~49歳の8匹が持続感染の状態のまま暮らしている。血が固まりにくいなどといった健康問題があり、薬を与えるなどのケアをしているという。

 C型肝炎はかつて「不治の病」といわれていたが、最近、ヒトでは有効性の高い薬が開発され、のみ薬だけで治るようになった。薬が効くしくみなどから、同じ薬がチンパンジーにも効くとみられるが、高価なため与えられていないという。

 チームはまず1匹分の治療費などとして、CFで400万円を集めることをめざす。

 CFサイト「レディーフォー」(https://readyfor.jp/projects/ks_kyoto-u_2別ウインドウで開きます)で募集している。10月31日まで。400万円以上集まった場合は、次の個体の治療費に充てるという。

 京大野生動物研究センターの平田聡教授は「チンパンジーは体調が悪くても、自分で病院に行ったり、薬をのんだりできない。飼育している以上人が責任をもつべきで、治せるものであれば治したい」と協力を呼びかけている。

        ◇

 チンパンジーがC型肝炎ウイ…

この記事は有料記事です。残り719文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
今すぐ登録(1カ月間無料)ログインする

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません。