キングは「殿」、駒に蒔絵 数千万円の超高級和風チェスセットが販売

滝川直広
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 数千万円もする高級なチェスのセットが東京・銀座で販売されている。駒を制作したのは京都府京丹後市の金属加工業「ヒロセ工業」。強みとする高精度の技術が詰まった一品だ。

 商品名は「匠(たくみ)チェスセット」。ステンレス製の駒の表面に部分的に蒔絵(まきえ)を施した。駒をしまう桐(きり)箱や、桐箱を包む絹の風呂敷、チェスボードも付属している。

 和風のテイストが特徴で、駒の日本語名もキングを「殿」、クイーンを「姫」、ビショップを「僧侶」、ナイトを「騎馬」、ルークを「城」、ポーンを「歩兵」としている。

 複雑な形の駒を制作するにあたって発揮されたのが、誤差0・005~0・01ミリの精度で金属を切削するヒロセ工業の技術。たとえば、スタイリッシュな形状の純チタン製印鑑や、遺灰を入れるカード型ケースなどを生み出してきた。

 今回のチェスセットは、蒔絵を担当した福井県の漆器業者やデザイナーらと組んで、約3年かけて昨年に完成させた。広瀬正貴(まさたか)社長(51)は「殿のかぶとの先端部や、姫の着物の重なりなどに苦心した」と話す。

 チェスは特に海外で人気で、この商品の主なターゲットも海外の富裕層。銀座の「M銀座ウイスキー博物館」で展示販売している。ヒロセ工業は地元で開発展示棟を建設中で、そこでも来春までには展示したいという。(滝川直広)