ヤングケアラーどう支援?NPO理事長「相談するための土台作りを」

林利香
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 「ヤングケアラー」の居場所作りに取り組む「NPO法人こどもソーシャルワークセンター」(大津市)。どんな支援が必要なのか。センターの理事長で、社会福祉士の幸重忠孝(ゆきしげただたか)さん(48)に聞きました。

 ――大津市では昨夏、小学1年の女児(当時6)が兄(18)から暴行を受けて死亡した事件が起きました。県の児童虐待事例検証部会がまとめた報告書は、不在がちな母親に代わり、兄が妹の世話を担う「ヤングケアラー」状態だったと指摘しました

 一人の子どもが亡くなり、一人の子が罪を背負って生きていかないといけないという痛ましい事件でした。ただ、家庭環境が分かるようになり「親が特殊な家庭の話」と、親や行政の責任探しで終わってしまいました。同じように苦しんでいる子がいることを行政は考えるチャンスだったはずなのに、教訓として生かされていません。

「隙間時間」があるからこそ

 ――全国の自治体でヤングケアラーの「相談窓口」を設置する動きがあります

 ヤングケアラーに限らず、子どもは簡単に大人に相談できるでしょうか? 困ったときに気付いてもらえなかった負の体験をしている子たちに、相談窓口を紹介しても「どうせ同じ」となってしまいます。

 子どもが「受け止めてもらえる」体験が出来る居場所が大事です。認めてもらったり、困り事を聞いてもらったりする経験が出来て、初めて相談につながる。まずは相談するための土台作りが必要と考えます。

 ――センターでは今夏、泊まりがけや日帰りでキャンプなどに出かける体験活動をしました

 泊まりがけのキャンプのほとんどが「隙間時間」です。そこに価値があると思っています。隙間時間があるからこそ、自分の境遇を話しても良いかなと思える雰囲気になります。

 普段、子どもたちと1対1でしゃべっていると、よく考えているなといつも感心させられます。行政など大人たちには、子どもの声をちゃんと聞いてほしいと思います。(林利香)