下水道を「資源」に、鶴岡のビストロ下水道5年延長 水産養殖も研究

鵜沼照都
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 【山形】下水処理場に集まる処理水や窒素、リン、熱などを「資源」として作物づくりに再利用する鶴岡市内の「ビストロ下水道」の取り組みが2027年8月末まで5年間、延長されることになった。新たに県漁協が加わり、下水処理水を使った水産養殖についても共同研究・調査を進める。

 ビストロ下水道は国土交通省や業界団体の日本下水道協会などが推進する取り組みで、同市では2017年9月に始まった。市や山形大、JA鶴岡、上下水道のコンサル会社・日水コンなど産学官6者が協定を結び、飼料用米の栽培や、コンポストを使った農地地力回復、下水処理の時に発生するメタンなどのガスを使った発電余剰熱の農業利用などの調査・研究を続けてきた。8月末までだったが、県漁協を加えた7者で27年8月末まで5年間の新たな協定を結んだ。

 新協定に先立つ先月23日には、これまでの5年間を振り返る研究成果発表会が同市若葉町の山大農学部であった。

 鹿児島高専の山内正仁教授は、下水汚泥肥料を使ったお茶の栽培試験について「肥料として適しており、茶葉の品質向上も確認できた」。山大農学部の渡部徹教授は「下水処理水には窒素やリンが多い。田んぼで実験したところ、コメの収量が増加しただけでなく、たんぱく質含有量も多くなり飼料用米に適する結果となった」と語った。

 「下水道資源の農業利用」をテーマにパネルディスカッションも行われ、「海外に依存する畜産飼料が、ウクライナ情勢や円安で高騰している今こそ、下水道資源を使ったエサ作りを」「安全上の問題がないことをいかに消費者に浸透させるかが課題」「下水処理水にはカリウムが少ないから、腎患者向けの作物がつくれるかも」といった意見が出された。(鵜沼照都)