ノンフィクション作家の佐野眞一さん死去 「東電OL殺人事件」

 ノンフィクション作家の佐野眞一(さの・しんいち)さんが26日、肺がんのため千葉県流山市内の病院で死去した。75歳だった。葬儀は近親者らで行う。後日、お別れの会を開く予定。佐野さんは6月末に入院し、今月上旬に病状が急変したという。

 東京都葛飾区出身。早稲田大学第一文学部卒業後、出版社勤務を経て作家に。1997年に「旅する巨人 宮本常一と渋沢敬三」で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。2009年には「甘粕正彦 乱心の曠野(こうや)」で講談社ノンフィクション賞を受賞した。

 事件の発生から裁判までをルポし、ベストセラーとなった「東電OL殺人事件」や、出版不況の現場を取材した「だれが『本』を殺すのか」、東日本大震災をテーマにした「津波と原発」など社会問題を幅広く扱った。

 週刊朝日に12年に執筆した橋下徹・元大阪市長に関する連載記事をめぐり、差別的な表現があったとして謝罪した。橋下さんが発行元の朝日新聞出版と佐野さんに損害賠償を求め提訴し、15年に和解した。