内申書は高校出願前に生徒へ開示 誤記相次いだ堺市教委が再発防止策

井石栄司
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 大阪府の公立高校一般選抜入試において堺市立の中学校が高校に提出する調査書内申書)で記載ミスが相次いでいた問題で、市教育委員会は26日、問題を検証した報告書を公表した。再発防止策として、高校への出願前に内申書を生徒に開示することを盛り込んだ。

 内申書の誤記載は、今春の入試を受けた生徒の1人が4月に成績の開示を求めた際に発覚した。その後の調査で、記載ミスは6年間で27校計300人近くにのぼることがわかった。このうち今春の入試では、本来は合格だった2人が記載ミスで不合格になっていた。

 市教委は、大学教授や弁護士ら外部の有識者で構成する検証委員会を6月に設置し、原因や再発防止策などを検討してきた。

 公表した報告書では、記載ミスの原因として、学校現場で事務作業は間違えるという前提に立った点検をしていなかった点や、学年の枠組みを超えて積極的に関与しようとしない学校現場の風土などを指摘した。市教委のマニュアルがわかりにくい点や、市教委が誤記載を把握しても重大事態としてとらえてこなかった点も問題点として挙げた。

 再発防止策として、公立高校への出願前に生徒と保護者に内申書を開示することを明示。また、これまで市教委は誤記載を把握しても「合否に関係ない」として発表してこなかったが、今後は誤記載が発生した場合はすべて公表することも提言した。

 市教委は報告書の内容を反映したマニュアルを11月中に策定し、学校現場に周知していくという。(井石栄司)

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    内田良
    (名古屋大学大学院教授=教育社会学)
    2022年9月27日18時16分 投稿
    【視点】

    内申書(あるいは調査書)の開示は、記載ミスの防止にくわえて、評価の透明性を高めます。 内申書は、進学の際に重要な役割をはたすとされながらも、これまでその中身がブラックボックスでした。「中身がわからないけれども人生を左右する」といった印象が