カーター元大統領との縁、「ヒロシマの鐘」が80年ぶりに米国で響く

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戸田和敬
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 太平洋戦争中、広島県内の寺から砲弾を造るために供出され、戦後に米国に渡った釣り鐘がある。平和の象徴として「ヒロシマの鐘」と呼ばれる鐘は、ジミー・カーター元米大統領(97)と広島の小さな町との交流を生んだ。この夏、米ジョージア州アトランタ市に鐘楼堂が完成し、9月30日に式典が開かれる。鐘は約80年の時を経て再び鳴り響く。

 「この鐘は我々にとって友好と地球上の恒久平和の希求を象徴するものです」

 中国山地の山あい、同県三次市甲奴(こうぬ)町(旧甲奴町)の曹洞宗正願寺の記念碑には、英文でそう記されている。

兵器にならずに残った

 言葉を寄せたのが、ノーベル平和賞受賞者でもあるカーター氏だった。鐘は現在、同氏がアトランタ市に設立した平和研究などに取り組む非営利組織の拠点「カーター・センター」に保管されている。

 戦時中の1942年、正願寺から同県呉市の呉海軍工廠(こうしょう)に供出されたが、兵器に使われないまま終戦を迎えた。海外に渡ったのちアトランタ市の日本人商工会が購入し、平和を望む日本人の思いを示そうと85年にセンターに寄贈した。

 鐘の存在を知った甲奴町が手…

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