新顧問と信頼培った5カ月間、技術の土台に「自主性」花開く(My吹部Seasons)

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金沢桜丘高校

「先生が任せてくれたからこそ、自分らにしかできん音楽をつくることができたんかも」

 (やばい、やばい、やばい……)

 石川県立金沢桜丘高校吹奏楽部の部長、3年生の表里奈(りな)は、朝練に向かうため、校門からの坂道を上りながら心の中で繰り返していた。

 金沢桜丘高校吹奏楽部、通称「桜ブラス」は2005、12、13年に全国大会である全日本吹奏楽コンクールに出場したことがある。県内の強豪バンドのひとつで、中学から吹奏楽を始めた里奈は「吹奏楽も勉強も頑張りたい」と進学校でもある金沢桜丘に入学した。中学時代にコンクールの北陸大会で金賞は受けた。果たせなかった全国大会出場の夢を桜ブラスでかなえたかった。

 高1のコンクールはコロナ禍で中止となり、高2のコンクールでは北陸大会に出場したものの銅賞だった。

 自分たちが最高学年になるにあたり、里奈はミーティングを開いて同期に尋ねた。

 「受験も気になるけど、みんな、全国大会を目指す覚悟はある?」

 今年の全日本吹奏楽コンクール高校の部は10月23日。それまで部活に全力を注ぎ続けるのは厳しいと口にする者もいた。しかし、本音で話し合った結果、「今年こそ全国大会に出場して金賞をとろう!」と、思いがひとつになった。

 ところが、2年間苦楽をともにした顧問の先生が異動になった。新たな顧問は全国大会出場経験のない寄島昭生(55)だった。

 最初の合奏練習で、前の顧問…

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