エサも燃料も値上がり 苦境の畜産農家「下がっているのは…」

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初見翔
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 原材料価格の上昇が、畜産農家の経営を圧迫している。大部分を輸入に頼る配合飼料(エサ)の価格は過去最高の水準まで高騰。一方で、コロナ禍で外食需要が減り、食肉価格への転嫁は進んでいない。

 「経営努力も限界にきている。農家になって40年以上たつが、こんな経験はしたことがない」

 群馬県渋川市で和牛の繁殖農家を営む南雄司さん(67)はそう話す。

 生まれてから食肉用に出荷するまでの期間が長い肉牛の生産は、子牛を買って育てる肥育農家と、母牛が産んだ子牛を肥育農家に売る繁殖農家に分かれるのが一般的だ。南さんは約60頭の母牛を育て、年間40頭ほどの子牛を出荷している。

■配合飼料は過去最高値

 経営に重くのしかかっているのが、経費の半分ほどを占める飼料の値上がりだ。ロシアによるウクライナ侵攻などが背景にある。

 穀物など栄養価の高い配合飼料は9割近くを輸入している。主原料のトウモロコシは世界の輸出量の1割以上をウクライナが占めていたが、侵攻を機に国際相場は急騰。配合飼料供給安定機構によると、7月の平均価格は1トンあたり10万円を超え、記録がある1983年以降で最高となった。

 国内最大手のJA全農は今年1月から7月の間に配合飼料を計3回値上げした。トウモロコシの国際相場はウクライナ侵攻直後に比べると値下がりしているものの、円安の影響もあって輸入価格は高止まりしている。担当者は「世界的な需要は引き続き強い。悪天候による作柄の悪化など値上がりの可能性もあり、楽観はできない」。

 配合飼料だけではない。南さ…

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