慰安婦論争扱った映画「主戦場」出演者らの控訴棄却 監督側が勝訴

編集委員・北野隆一
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 慰安婦問題の論争を扱ったドキュメンタリー映画「主戦場」の出演者5人が、勝手に映画を一般公開されたとして日系米国人のミキ・デザキ監督と映画配給会社「東風(とうふう)」に上映禁止と計1300万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が28日、知財高裁であった。東海林保裁判長は「映画は原告らの著作権や名誉権を侵害していない」と認定。原告の請求を棄却した一審・東京地裁判決を支持し、控訴を棄却した。

 デザキ氏は大学院の卒業制作で、原告の米国弁護士ケント・ギルバート氏や「新しい歴史教科書をつくる会」の藤岡信勝副会長らに取材し、映画を作った。原告側は「合意に反して商業映画として一般公開した」などと主張。原告の肖像権や名誉権、原告がつくった動画を引用した際の著作権が、映画により侵害されたなどと訴えていた。

 判決について藤岡氏は「合意を破って、ひどい中傷の映画をつくってもいいという内容だ。裁判所の機能を果たしていない」と批判。上告については改めて検討するという。デザキ氏は記者会見し「勝訴してほっとした。敗訴したら原告らは、慰安婦問題で私がうそを言ったと攻撃する根拠として判決を利用しただろう」と話した。(編集委員・北野隆一